二度目の恋の、始め方
「俺等ってまさか………」
「言わなくても分かるでしょ。俺とイッキーと雄ちゃんに決まってんじゃん」
「ぜ、絶対ダメ!!」
驚きのあまり声を抑えられない私は、きょんの膝枕で寝転ぶ理玖ちゃんの肩を掴んで無理矢理起こし、左右に揺さぶる。
雄大が他の子とキスするなんて考えただけで苦しい……バイト先で見たときは心臓が張り裂けると思ったんだからね。
「大丈夫だってぇ~」
「大丈夫じゃないの!理玖ちゃん!」
「だって俺達、負けないし~。特にイッキーは女嫌いだし本気で勝ちに来るよ。あ~でも雄ちゃんは優しいからどうだろねぇ」
「理玖ちゃんのバカ!きょんは良いの?」
「うん。だって理玖くん負けないって言ってるもの。信じてる。
きっと宮路君も大丈夫だよ、凛」
「流石、杏子ちゃん。俺のカノジョ~」
そう言って理玖ちゃんは真っ赤になるきょんの頭を優しく撫でる。こんな純粋なきょんだから、素行の悪い理玖ちゃんと交際を続けていけるのかもしれない。そんなラブラブな光景を見て羨ましく思ってしまう。
「ゴホン、凛?宮路君から連絡ないの?」
「……うん。雄大のお母さん帰ってきてるから、いろいろ忙しいみたい」
「そうなの。お母さんって……」