二度目の恋の、始め方
こんな時まで妖艶に微笑む美月ちゃんはそんな恐ろしい言葉を口にして、そんな彼女を見たきょんが恐怖に顔を歪ませる。
「ミッキーは性格腐ってるから、ナニ言っても無駄だよ。杏子ちゃん」
「え~楠木君に言われたくないけどね~」
「俺のドコが腐ってんの?」
「それ、彼女の前で言って良いのかな~?純粋そうだし刺激が強いんじゃない」
腕組みをし壁にもたれて面白そうに笑う美月ちゃんを、理玖ちゃんは相変わらずのポーカーフェイスで見据えてて、そんな二人を見たきょんが私の手をギュッと握った。
「ふ、二人とも!話は後にして壱樹をとめよう!山田さん怖がってる。可哀想だよ」
「あ?」
「ヒッ!」
いつもに増して鋭い眼孔の壱樹に悲鳴にならない声をあげ、きょんの手を握り返す。
「凛はコイツにされた事、もう忘れたの?」
「覚えてるよ!覚えてるけど、山田さんの気持ちも分かるから……」
「何それ」
「好きな人に自分を見て欲しい気持ち」