二度目の恋の、始め方

世の女子が見れば卒倒しそうなほど貴重な壱樹の笑顔。ホント、ずっと笑ってれば良いのに。そうすれば美月ちゃんも…………


「そうだ。選抜の件、日を改めて再度させるよう教育委員会に言っておいたから」

「えぇ!そんなコト出来るの?」

「俺を誰だと思ってんの。それに、貴重な時間を費やしてまで教えてやったんだから、ソレ相応の結果を出してもらわないと俺のメンツ丸潰れだし」

「……ありがとう。壱樹」

「凛のためじゃないよ。俺のため。その代わり、お礼は期待してるけど」


そう言ってプイッと顔をそむけた壱樹の耳はほんのり赤くて、掴まれた手首からジワジワと熱が伝わってくるようだった。


数日後、壱樹のおかげで無事、再テストを受けれて結果はお見事、合格ライン。トップの欄に堂々、葉山壱樹と記載されたボードを見て、私はとんでもない人に勉強を教わってたんだと、唖然とした。





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