二度目の恋の、始め方
「……やっと見つけた。川嶋凛」
スラッとした長身に規律どうり着られた制服。雪のように白い肌に、赤みを帯びた唇。二重瞼の瞳が私を捉えて、妖艶に細められた。清潔感の漂うこの男は、雄大達と同じようにこの学校で知らない人は居ない。
「ねぇイッキー。もう一度聞くけどマジでこの人で、合ってるの?」
「しつこいよ。俺がそうだって言ってるのにまた同じ質問繰り返すなんて、理玖じゃなかったら確実に半殺しにしてる」
「……こわ~」
あの意地悪な理玖ちゃんでさえ怯んじゃう相手。葉山壱樹クンは雄大達のグループ、いや、この学校で一番、恐れられている毒舌冷酷男子。彼にフラれて不登校になった女子は数知れないらしくて。
そんな人が私に、何の用なのかな。
「川嶋凛さん。凛って呼んでも良い?」
「え?……イイですけど」
「じゃあ改めて、凛。俺と付き合ってよ」
いきなりとんでもない発言をする葉山壱樹クンは目の前まで来ると「ゴホンッ」とワザとらしい咳払いをして視線を逸らす。耳まで真っ赤なのは気のせいだろうか。
理玖は笑いを堪えるのに必死みたい。
「……あの、付き合うってどこに……」
意味が分からずに首を傾けると、驚いた表情で瞳を丸める葉山壱樹クン。