二度目の恋の、始め方
act、6
「…………ハァ、酷い顔だ~」
次の日の早朝。
清々しい天気とは裏腹に洗面台の鏡にうつる私の顔は、散々泣いたせいでパンパンに腫れていて、もともとそんなに大きくない目は瞼が垂れ下がって余計に小さく見えた。
それでも特待の私は学校を簡単に休めないので、重たい足取りでとろとろ準備を始める。あとは髪を後ろにアップして、ブラウスの上から茶色のブレザーを羽織るだけ。
私の住んでいるアパートは築30年の二階の角部屋。所々ガタついてきてるけど家賃も安いし学校からもそれなりに近い。
3人で暮らしていた時は狭かった2DKも今では私独りでとても広く感じていた。