トライアングル~番外編~
「わぁ~満開になってる~」


「だな。良かったな」



直と手を繋いで、両側に何キロもある
桜並木を歩きながら、満開になっている桜を
眺めていた。



「わぁっ!!」


「おっと」


「上ばっかり見てると危ねぇーぞ」


「うん、ごめんね」



直の顔を見上げながら、繋いだ手に
ぎゅっと力を入れた。



「何か、ひさびさだな。

こーやって、鈴とゆっくり歩くのも」


「そーだね」


「当たり前だったことが、新鮮に感じる」


「ふふっ。じゃあ、受験も良かったのかな?」



直を見ると、少し考えている様子。



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