ミツバチさんに導かれて
『……っ。』
意識が浮上した時、太陽は傾き始めていた。
…どれだけ長い時間寝てたんだ。
ちょっとビックリしたが、家柄気配には敏感なはずな自分だ。
ほんとに人が来なかったんだろう。
すくっと立ち上がり、衣類についた桜の花弁を払い落す。
…髪の毛ぐしゃぐしゃだし。
母がハーフだった私はかなり色素が薄く生まれた。
もともと髪の毛は金髪に近かったのだが、一年半前のあの日白銀に染めた。
金髪は、あの男と一緒だったから、嫌だった。