ミツバチさんに導かれて


「あんたはほんとに、いい加減にしなさいよ毎朝毎朝。」


髪バサバサ星人こと毛羽けばこ。

………………というのは冗談で、毛羽小百合。
が今日もたくさん塗装された顔を歪ませて睨んでくる。


『だってけばこいっつもマンションの下で待っててくれないんだもん。』


「けばこ言うな!!!
それにあたしは待つのが嫌いって知ってるでしょ。」


まったく。と言いながらため息をつく。





そんなこと言いながら、私が家を出てくる時間を見計らって家の前を通ってくれていることを本当は知っている。




『小百合ちん大好き、ちゅうしたげる!』

「ぎゃあー!!!やめろおおお!!!」
< 6 / 35 >

この作品をシェア

pagetop