I do does not matter.
「カグヤーほんとに行くのー?」
「しつこいな…」
今の時刻、21時34分。
あの後マスターの家に帰ってきたあたしは暫くマスターの相手をして、出かけるために準備を始めた。
のだが。
「俺のこと一人にするのー?ねーぇーカグヤー」
と、この調子でマスターがなかなか行かせてくれないのだ。
「マスターがあたしのために血を流してくれんだったらいてやる」
嫌味たらしく言ってやるとマスターは口を閉ざした。
マスターはあたしの、否、ティターニヤの非道さを知っているからこう言えば必ず大人しくなる。
あたしの最後の手段、とでも言えば良いかな。
「ちゃんと帰ってくる。心配いらない」
様々な思いを込めて言うとマスターは切なげにあたしを見つめて掴んでいた手を離してくれた。
「ありがとう。行ってくるよ」
そんなマスターを安心させるように笑って店を出た。