I do does not matter.
なにかあっても良いように先程と同じように左耳のみイヤホンをつけて音楽を流す。
机に頬杖をついてすぐ横の窓の外を眺めると、思った以上に景色が良いことに気づいた。
窓から見える景色は桜が満開で、春ということを実感する美しい景色。
都会には珍しい、木々のたくさんあるこの学校は少しでも不良たちの気を鎮めようと必死なのだろうか。
「はい、ストップ!そんなに一度に質問しなくても良いだろう。これから一緒に学校生活を送るんだから」
そんな声に教壇に目を向けると苦笑いの担任がいた。
何故かあたしを見ている。
いや、気のせいか。
だって今は教室内を見回してるし。
「さて、皆に話がある」
やっと本題に入ったらしい担任は神妙な面持ちでそう言った。
その顔に教室内が静かになる中、あたしはまた窓の外に視線を移した。
空にはカラスが数羽飛んでいる。
漆黒の翼が美しい。
「ここは皆も知っての通り不良校として有名な学校だ。
校内の至る所で喧嘩が起こる。
だがそういう側でない者も少人数ながらこの学校にはいる。
そういう子たちは喧嘩に巻き込まれないよう、喧嘩をする子たちはそういう子たちを巻き込まないよう徹底してくれ。
巻き込んだ場合、理事長より鉄拳制裁が下る」
鉄拳制裁ねぇ…。
体罰で訴えられたりしないのかね。
カラスを見ながらそんなことを思っていると。