I do does not matter.
「わかってるよーセンセー」
「ここに来た以上はねー」
などとさも当たり前かのように言うクラスメート。
全員承知の上のようだ。
ちなみにあたしは知らなかった。
そういうルールとか興味ないし。
「よし、なら良い。じゃあ今日は帰って良いぞー」
そんな言葉に全員鞄を持って担任に挨拶しながら帰っていく。
「あ…カラス…」
あたしも帰ろうとしたが空にまだカラスがいたので動きを止めた。
先程とは違い、今度は2羽でクルクルと旋回したりすれ違ったりしている。
あれはなにをしているのだろうか…。
「ん?君は帰らないのか?」
そんなあたしに気づいた担任がそう声を掛けてきた。
カラスから目を離さずに
「はい」
それだけ言うと担任はゆっくりと近づいてきた。
隣より後ろにきた担任が
「カラス、見てるのか?」
そう尋ねてきた。
「です」
担任の問いかけにそれだけ答えると今度は隣に立ったのが気配でわかった。
ジッとこちらを見ている気配が伝わってくる。
「さっき、君だけ質問してこなかったな。それどころか音楽聴いて外見てた。俺みたいな男は嫌いか?」
俺みたいな男、というのは誰にでも愛想が良い、ということだろうか。