I do does not matter.
~空き教室side~
「なーなー知ってる?」
オレンジ色の髪をしたヤンチャそうな男が唐突にそう発した言葉にその場にいた全員が怪訝な顔をする。
「いきなりなに?」
そう返したのはピンク色の緩くパーマがかかったような髪の可愛らしい男。
「一年の中にとんでもねぇ美人がいるんだってよ」
オレンジの言葉に周りは一様に呆れた溜息を吐いた。
「訊いたボクが馬鹿だった。中学のときから毎年それ言ってんじゃん」
「美人だったこと一度もなかったし」
ピンクが言った言葉に同意するようにダークブラウンに長めの髪をピンで留めた男が続ける。
「もうその話は信じないよ」
黒縁眼鏡にライトブラウンの髪の男が続けざまに言う。
「今回はマジだって!も、ほんと美人なんだよ!」
オレンジが信じてもらおうと必死になるが誰も信じようとしない。
そのうちオレンジは不貞腐れて拗ねてしまった。
そのとき。
「……~~…ん~…んん~……」
「なに…?」
「誰だ…?」
「堂々と鼻歌…」
「今はもう誰もいない筈…」
ピンク、オレンジ、ダークブラウン、ライトブラウンと様々なことを言いながらそろっと扉に近づいていく。