I do does not matter.
唯一動かない、なにも言葉を発しない、金髪に一束だけ銀髪の混ざった男はゆっくりと目を開いた。
オレンジ色がゆっくりと、ほんの少しだけ開けた扉。
オレンジ色が扉の隙間から廊下を見ると、それに倣って他の三人も廊下を見た。
そんな四人の前を通り過ぎた一人の女生徒。
鼻歌を歌っていたのはどうやら彼女らしい。
四人に気づく素振りもなく鼻歌を歌いながら歩き去っていく。
女生徒が去ったあとも暫くその場を動かず廊下を見たままの四人。
「………どうした」
あまりに動かないので怪訝に思ったのだろう、金髪がそう尋ねた。
その問いかけにピクリ、反応した四人。
次の瞬間…
「い、い、今の子…!!」
「今の女だよ!!今のが俺が言ってた女!!」
「び、美人…」
「ほ、本当にいるとは…」
アワアワと慌てながら何事かを言っている四人に金髪は眉間の皺を深くする。
「…なにが言いたい」
「すげぇ美人が入学してきたって言ったろ!?その美人が今通ったんだよ!!」
「あれは確かに綺麗…」
「美人なんて言葉じゃ収まらないね…」
「まさに絶世の美女…」
オレンジに続けてピンク、ダークブラウン、ライトブラウンも似たようなことを言う。