触れない温もり
「う……痛ぇ…染みる………」

「おい、お前雑にしてんじゃねぇだろうな」

「そんなわけないっすよ。消毒だから仕方ないっす」

「じゃあ、染みない消毒を選べ!」

「無茶言わないでくださいっす」



そんなやりとりが繰り広げられてる中、座布団の上に座って、男たちに出されたお茶とお菓子を食べている俺って………


帰っていいかなぁ……



「はい!終わりっすよ!ほかはないですか?」

「おう、ありがとな。」


そう言って、黒桐は包帯を巻いた体を再び制服を着て隠す。




「さってと!
待たせたなぁ、柏木」


「あっ!え?あぁ」


このお茶菓子美味しいな…
どこのだろ……

なんて考えてたせいで、突然話しかけてきた黒桐に変な返答をしてしまった。

恥ずかしい………


「おい?いくぞ?」

「行くってどこに……?」

「話があるっつっただろ?俺の部屋だ」


あー、そう言う事な。

ここじゃあ話せないことなのか?

そう聞きたかったが、敢えて部屋で話すんだろうと思い、口には出さなかった。
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