アメフル
ふうっと息を吐き前を見ると、見覚えのある後ろ姿があった


傘もささずにズンズンと長い脚を交互に出している



心臓がドクリと動き、体が硬直した



あの人だ



彼はそんな私には気づかず、どんどん前に進んでしまう



傘、入れた方がいいのかな……



その場に立ち尽くしたまま彼の背中を見つめる



この前入れてもらったし……



傘奪ってることも謝らなきゃ……



彼と話せるのも今日が最後かもしれない



私は重たい体を動かし、地面を思いっきりけって走り出していた
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