アメフル
あれから1ヶ月ほど経ち



私たちは進級した



あの日を最後に彼と会うことも、見ることさえもできていなかった



卒業式の日、くまなく彼の姿を探したが見つけられなかった



あの日から今日までに何度か雨は降ったが、あの黒い傘は見当たらなかった



“また会おうね”



そう言うと彼の笑顔が頭の中に浮かぶ



なんだよ、全然会えなかったじゃん



俯いて、シューズの音を鳴らしながら廊下を歩く



「しーづ、うるさい。せっかく私と同じクラスになれたのに不機嫌オーラ出しやがって」



バシッと後頭部を叩かれる



「ごめん、嬉しいよ。のんと同じクラス。しかも男女クラスだしね」



「そーだよ!夢の男女クラス!あの輝かしい教室に私たちも入れるんだよ!?ひゃー!」



隣で暴れだすのん



のんの気持ちもわかる



すごく楽しみだ



あんな奴忘れて、新しいクラスを楽しもう
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