廻る時の中で
でも、貴方を待たせっぱなしにして私が行かないなんて、悪すぎる。
今となっては貴方に連絡がとれないし。
散々悩んだ挙げ句、私は行くことにした。
爺やにはとても悪い気がしたけど。
今日だけなら、と思ったの。
今日貴方に会って、すべてを話すわ。
そして、これからのことは相談して決めよう、と思った。
私は、よし、と意を決するとそっとドアを開いた。
そろ〜っとドア隙間から廊下を見ると、ラッキーなことに誰もいない。
私は一目散に部屋を飛び出して、城を後にした。
だから、気付かなかったんだ。
私の後に、こっそり人がついてきている事に。
それから、この決断が後で大きな事件に繋がる事も。