廻る時の中で


私は急いで涙を拭うと、貴方に笑顔を見せようと振る舞った。

貴方もそれ以上聞かなかった。

今の私にはそれが嬉しかった。

それから私たちは丘に腰を下ろし話をした。

私は話に夢中で、これで貴方に会うのが最後になるかも、なんて忘れていた。

でも、日が暮れてくるとどうしてもその話題に触れなきゃいけなくて。

しきりに動いていた口が止まる。

「ねぇルシファード?」

「何ですか?」

「貴方はこの国にあとどれ位いるの?」

そう言うと、貴方の顔が曇る。

「…実は、あと数日で発たなければなりません」

それを聞いて、私は体の中心に重い石を落とされた心地がした。

あと数日?

そんな…。

「…どうして?」

私は震える声で貴方に尋ねた。


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