廻る時の中で


貴方はとても気まずそうな顔をしたわ。

私は貴方をまた困らせたのかしら?

そんなことしたくない。

「…いい、聞かないわ」

「…姫、すみません」

どうして貴方がまた謝るの?

私たちが出会った時、私を助けてくれたのに、あの時も貴方が謝ったわよね。

だめ。

また泣きそう。

「…今日はもう帰ります」

私はそう言うと立ち上がった。

貴方も立ち上がった。

今にも泣きだしそうな顔を見られたくなくて、私は挨拶もせずにお城に向かって歩きだした。

「姫!!」

貴方が後ろから叫んだけど、私は止まらなかった。

違う。

止まれなかった。


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