廻る時の中で
いつもはこんなに淋しくなる事はなかった。
いつも誰かが傍にいてくれたから。
でも、今日は違う。
今、私は一人。
「…爺やはどこ?」
私はふと気付く。
いつもは口うるさく感じる爺やも、今は傍にいてほしい。
夕食の時間になれば爺やが呼びにきてくれるけど、
夕食の時間までまだ少しある。
たまには私から爺やに会いにいこうかな。
きっと驚くだろうな。
…あの爺やを驚かせたい。
私の中に出来心が芽生える。
「よしっ」
私はそう意気込むと、ベッドから飛び降りた。
そして、爺やの部屋へと向かった。