廻る時の中で
私は爺やの部屋の扉を見つめながら少し悩んでいた。
沈黙が辺りを包む。
すると、ふと気付く。
“あれ?爺やの部屋から話し声がする?”
扉の隙間から爺やの声が漏れてる。
それも、爺やはかなり声を荒げている。
何かあったのかしら?
私はそっと扉に耳をつけた。
かなり聞き取りにくいけど、聞けないことはない。
私は耳を澄ます。
「…が、…姫様…!」
え?
今、姫様って言った?
私のこと?
何を話しているんだろう。
私は扉の向こうの会話を聞き取ることに、全神経を集中させた。