さあ、愛される覚悟を・・・
腐れ縁
「オマエ、また別れたんだって?」
突然背後から掛けられた声に、振り返りもせずに片手を挙げる。
隣に座った腐れ縁の男の前に、このバーの店長兼バーテンもこなすタケルさんがいらっしゃい、と声を掛けながら近づいてくる。
「いつもの」
「了解」
「あ、タケルさん、ジン多めにして」
「OK」
タケルさんが男の言った「いつもの=ジンバック」のジン多め、を作り始めたのを視界に映して、あたしは頬杖をついてそっぽを向いた。
「凜」
「何よ」
「荒れてんの?」
「なんであたしが」
振り返って腐れ縁の男を睨んだ。
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