さあ、愛される覚悟を・・・
「オレ的には、今更秩序気にするくらいなら、新しい彼氏ができたって報告する度に遼が不機嫌になって、どす黒いオーラ全開にしてたことの方を気にして欲しかったよ?」
「「え?」」
タケルさんの言葉に、あたしと遼の驚きは重なって。
「嘘?…マジかよ?バレバレだったってこと?」
「タケルさん、気づいてたなら教えてくださいよー」
遼の焦った様子とあたしの真っ赤になった顔を見ながら、タケルさんはうははは、と豪快に笑った。
「邪魔者は退散すっから……頑張れよ、若者共!」
タケルさんはカウンター越しにクシャッとあたしの髪を撫でて、他のお客さんに呼ばれて去って行った。
「自分だってあんま歳、変わらねぇくせに」
「ほんとほんと…あーゆー発言してるとオヤジ臭くなるのにね!」
あたしたちは行き場のない羞恥心を誤魔化すように、タケルさんに向けて悪態を吐き出した。