さあ、愛される覚悟を・・・
「……凜」
「はい?」
「アイツ、実は相当前から凜のことスキだったからさ」
「え?」
「これからきっと…今まで以上に楽しくなるよ」
ニィ、っと悪戯っぽい笑顔を向けられた。
それは今まであたしが、告られて誰かと付き合い始める度に、そしてそれからすぐに別れたと泣いたり愚痴ったり怒ったりをこの店で繰り返してきたからこそ、の言葉で。
「うん!ありがとう!」
「ん…ほら、早く行った方がいいぜ。アイツきっとヤキモチ妬いて焦れてっから」
「うん。タケルさんまたね」
「おう。気をつけてな」
短い言葉を交わしてお店の扉を開けると、あたしは慌てて階段を駆け上がった。