さあ、愛される覚悟を・・・
「オレも、マジで良かった…」
「ほんと?」
「ん、全然余裕なかったしな」
「嘘だぁ……途中からは…全然余裕そうだったじゃない…」
あくびを噛み殺しながら口にする。
遼の過去に今更嫉妬するつもりはないし、自分だって好き勝手してきたのだから、とは分かっている。
それでも、恥ずかしいことを散々言わされて、自ら腰を振って求めてしまったことも、喘ぎすぎて喉がカラカラなことも、ほんの少しだけ、悔しいと思ってしまう。
「次は絶対、余裕がなくなる遼を引き出すからね」
遼の胸に頬を寄せるようにして口にする。
腰に腕を回した遼は、ゆっくりとあたしの髪に唇を寄せてきた。
「分かってねぇなぁ………ま、そんなトコも、可愛いんだけどな…」
遼のそんな呟きは、深い眠りの淵に落ちていくあたしの耳には届かなかったけれど。
傍にある温もりが、ただただ幸せだと、そう思って眠りについた。