さあ、愛される覚悟を・・・
SIDE : 遼
** SIDE:遼 **
「次は絶対、余裕がなくなる遼を引き出すからね」
負けず嫌いな凜の、悔しそうな言葉に笑いそうになった。
台詞はそんなものなのに、どこまでも甘い響きに、腰がジンと痺れるような気がした。
「分かってねぇなぁ………ま、そんなトコも、可愛いんだけどな…」
髪にキスしながら口にした頃には、オレのお姫様は夢の中だ。
腰を撫でながらこめかみの辺りに唇を押し付けるけど、凜は規則正しい寝息を立てるばかり。
よっぽど疲れさせてしまったのだと気づけば、漸く凜を手に入れることができたのだと、胸が熱くなってたまらない気持ちになった。
全く余裕がなかった自分を自覚しているだけに、自嘲気味に笑ってしまう。
凜は、自分がいっぱいいっぱいだったせいで、オレの余裕のなさに気がつかなかったみたいだけど、正直、こんなに理性的じゃなかったことなんて、過去の経験で一度だってなかった。