キミだから・・・
「ほらっ!日愛行くぞ?」
大地は私の手をつかんで玄関を飛び出した。
「はぁ...はぁ......大地早いよ!」
「日愛が遅いんだよっ黙って走れ!」
私の手をつかんだまま前を走る大地が答える。
「なによっ!」
そうこう言っているうちに学校の校門の前まで来ていた。
「ギリギリセーフってとこだな?」
「はぁ...はぁ......やっと着いた...」
そう思っていたのに、大地がまた私の手をつかんで走り出した。
「えぇ!?なんでまた走るの!?」
「当たり前だろ?教室まで走んねーと
1時間目の予鈴に間に合わねーだろ?」
「もう疲れたよ......」
昇降口で上履きに履き替えてまた
走り出す。
私と大地はクラスが同じで、どっちも 2―4だ。
2年生の教室は2階だから階段を1つ上がってやっと教室の前まできた。
大地がドアを開けて、その後ろから
教室に入った。
朝のHRが終わった教室の中はみんなの話し声で少しうるさかった。