バレンタイン*少しの勇気をください。
「百合ー!
ほら、早くしないと遅れるわよ」
「ユキちゃん、ちょっと待ってー!」
次は移動教室なんだから早くしなさいよ。と、ユキちゃんに小言を言われ授業の準備を急いでする。
ユキちゃんは唯一できた友達だ。
否、親友だ。
ユキちゃんはあたしの見た目には何も言ってこない。
強いて言うなら、あたしの見た目に文句を言ったやつらを絶対零度の視線でガチゴチに固めてたくらいかな?
それで、あたしに
『あんなくだらないこと言ってる奴らは虫けら以下よ。
あ、ミジンコ以下ね。
だから、ミジンコ以下の存在が何言ってようが無視しなさい。
…あたしがついてるから』
今でも覚えてる。
最初は、なんであたしに話しかけてきたの?って疑問で頭の中がいっぱいだった。