バレンタイン*少しの勇気をください。




でもね、最後の最後で頬を、顔を、真っ赤に染め上げた彼女がぶっきらぼうに呟いてくれた言葉は今でもあたしの救いの糧。



クールビューティーなユキちゃんは姉御系のサバサバした女子だから、男女問わず好かれる存在だ。




「ほーら!
さっさと行くわよ」



「わっ!!」



あたしの手を引いてズンズン廊下を進むユキちゃんの背中はいつ見ても頼もしい。



「ユキちゃん、いつもありがとう」



なぜか急に出てきた感謝の言葉。


それを聞いたユキちゃんの耳が赤くなったのをあたしは見なかったことにしよう。



「べっ、べつにお礼言われることじゃないし!!
てか、あたしがいつどこで百合に感謝されるようなことをしたわけ⁉︎」



半ギレになったユキちゃんを見て笑ってると、向かいから来た人の集団にぶつかってしまった。



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