オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
夜。

コンコン、とドアがノックされ
父さんが一人で入ってきた。

「……すまんな、
入るなと華恋に言われてはいたんだが
どうしても気になって。」

「……ええよ。
もう、ショックも
だいぶ和らいだことやし。」

「……何かあったのか?」

俺は主治医に言われたことを
父さんに伝えた。

「……」

父さんも、ショックを受けていた。

「……せっかく、受けれるって喜んだんに、
こんな事になって……ほんまに、堪忍。」

絞り出すように俺は父さんに謝った。

「……何を謝る必要がある?
大丈夫だよ、千洋。
まだ、0%になった訳じゃないんだろう?
だったら、諦めちゃダメだ。
諦めるのは、0%になってからだ。」

ハッとした。

そうだ、諦めるのはまだ早いのだ。
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