オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
そのあと、ホームルームが始まる頃に
やっと教室に戻れた俺は
航星と華恋と一緒に帰ることにした。

昼間、倒れたことを
華恋は知らない。

妹だけど全部報告する
義務もないだろうと思っていたから。

言ったところでどうせ叱られるだけだ。

「…でね、あの先生なんて言ったと思う?」

「なんて言ったの?」

「授業妨害だー!って怒って
教室を出ていっちゃったの。」

「そうなんだ。」

目の前では華恋が航星に
今日の出来事を話している。

航星はふんふん、と相槌を打ちながら
華恋の話を聞いていた。

俺はそのあとを
ただついて歩いていくだけで
華恋の話がまるで頭に入ってこない。

ふと、航星がこっちを振り返って
「ちー、大丈夫か?」
と言ってくれた。

「あぁ、大丈夫やで。」

俺は俺で精一杯笑おうとする。

笑えているか自信は無かったけど。
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