オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
「……あー、ほらほら、
ここ、廊下やから。
邪魔になったらあかんし、病室行こ?な?」

俺は今にも泣きそうな顔の梶山を
連れて病室へ戻った。

病室に入り、
ベッド脇の椅子に彼女を座らせる。

俺はベッドに腰掛け、
「……黙ってて堪忍な。
あんま心配かけとうなかってん。」
と、正直に言った。

梶山は首を横にふるふる、と振って
「大丈夫だよ。」と言った。

大丈夫、という割に
顔は全然明るくはなかったけれど。
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