オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
お互いひとしきり泣いて、
ぐすぐすと鼻をすすりながら
しばらく抱き合っていた。

やがて、梶山がぽつり言った。

「…生きてよ。」

「え…?」

「生きて、一緒に未来見よう?
そばにいるから。
瑞穂ちゃんの分まで。」

「…梶山。」

「生きて。
私、片岡くん好きよ。
死んでほしくないの。
…ね、私と一緒にいて。
大人なりたいんでしょ?」

「…なりたい。」

「じゃ、がんばろ。」

「がんばって、
どうにかなるんかな?」

「なるよ。信じなきゃ。
未来は開けない。」

明るい彼女の言葉が、
心に染み渡っていく。

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