オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
一時間ほどして、わいわいと
はしゃぎながら
華恋と父親が帰ってきた。

俺は特にすることもないので
少し昼寝をしていて、
その声で目が覚めた。

「ただいま、ママ。
ちーは?」

「おかえりなさい。
ソファにいるわよ。」

「そうか。」

そう言った父親が、
こちらへ向かって歩いてくる。

「……ただいま。千洋。」

「おかえりなさい。」

「……あぁ、起きなくていい。
辛いだろ。」

「大丈夫やで。寝てただけやし。」

「そうか。
……おっと、そうだ
二人にお土産があるんだった。」

父親が荷物の置いてある場所に少し戻って
なにやらガサゴソやっている。

「はい、これは千洋へ。
華恋には、こっち。」

「ありがとう、パパ!」

華恋は嬉しそうに包みを開けている。

「わ、可愛い~」

中身はとても可愛い
女の子の服とバッグと
アクセサリーセット。

ふわふわのピンクのスカートは
とても華恋に似合いそうだ。

俺の方も同じく服で
シャツとチェックのズボンと
靴までついていた。

「おおきに、オトン。」

「どういたしまして。
いつも辛い思いさせているから
申し訳なく思ってるよ。」

「そんなことあらへんよ。
謝りたいのはこっちの方やし。」

「子供がそんなこと、
思わなくていいんだよ。」

「……おおきに。」

父親は本当に優しい。

今まで何度も励ましてくれた。
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