オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
「ほい、出来たで。」

「サンキュー。
おかげで助かったよ。」

「ええよ。」

「あたし不器用でさ。
調理実習とか大嫌い。
指切っちゃうもん。」

「ほーか。」

「えーっと、片岡くんだっけ。
航星と仲良しの子だよね。」

「せや。」

「今日はほんとにありがと。
またね。」

梶山はそう言うと、保健室を出ていった。

正直に言えば、俺の心臓は
壊れそうなくらいバクバク言っていた。

(…あの笑顔は反則…。)
そう思いながらため息をついたのは
言うまでもない。
< 7 / 176 >

この作品をシェア

pagetop