オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
少し待っても一向に現れないので
しびれを切らした俺は、
外を探すことにした。

しばらくホテルの周りを探すと、
葵は割と近くにいた。

何故か男と一緒だ。

(……誰や?あれ。)

しかも何だか
言い寄られている感じだった。

「……だから、
何度も言ってるでしょ。
私には付き合ってる人いるから。」

「あんな病気の奴のどこがいいんだよ。
どうせ長くないんだろう?」

「……それ、もう一度言ったら
殴るから。」

葵は怒っている。

(……うぉお、怖っ)

「……チッ、面白くねぇな」

男はあっさり去っていく。

葵は深いため息をついた後、
「……千洋。
そこにいるんでしょ?」と言った。

(……バレてるし。)

俺は渋々出ていった。

「……待ち合わせに
一向にけぇへんと思って
見に来ただけや。」

「あぁ、ごめん。
あいつしつこいのよ。
同じ理系クラスの
ガリ勉なんだけどさ。
あたしのこと好きとか
冗談じゃないわよ。」

「……まぁ、ええけど?
さぶいから中戻ろ。」

「うん。」

俺と葵はロビーへと戻った。
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