悪態少女の恋物語〜運命の人を見つけてください〜
「真守さん、さっきの理緒は」
「わかってる。それも話す。」
俺はさっきの出来事全てを
こいつらに話した。
昔のことも。
全て俺が知っていることを話した。
「俺が悪ぃ。あいつをベタベタに可愛がってたくせに、あいつに俺が喧嘩を教えたのに、そんなん本当は見たくなくて、見た瞬間やっぱり震えたよ」
喧嘩を教えた当時も、思ったことだ。
あいつは飲み込みが早すぎた。
「俺は後から後悔した。あいつはそのうち壊れちまうんじゃねぇかって。」
…思った通りだった。
「俺が…俺が守ってやればよかった。あいつが自分の身を自分で守るんじゃなくて。もっと甘えさせなきゃ、いけなかった…」
「…真守さん」
「…なんだ…?」
「過去のこと、はっきり真守さんは知らないんすよね。知ってるのは深影だけなんすよね。」
「…そうだ。」
俺は兄でありながら。
妹の変化に気付けず、
妹を追い込んでいた。
あいつは、あの男たちを殴っていたとき
俺のことしか言っていなかったのに。
俺の心配しか、していなかったのに。