悪態少女の恋物語〜運命の人を見つけてください〜
ライオンバスに翔希と肩を並べて座る。
「はい餌」
「ありがと」
「俺ライオンに餌あげるとかはじめてだー!つーか俺がこの肉焼いてくいてーよ!」
「なにそれー!」
あはは、と二人して笑う。
「今日は、一緒にきてくれてありがと」
「ん?ううん、あたしこそ誘ってくれてありがと!すっごい楽しい!あ、でもなんで翔希は誘ってくれたの?」
ふと、さっき気になったことを聞いてみる。
「それは、」
『ただいまからバスが発車致します!ガイドと共にライオンを間近に餌をあげてみてくださいね☆それでは、発車致します!』
そんなガイドの声に、翔希の声はかき消されてしまった。
なんだか翔希の様子が変だった気がしたけど、
その後ライオンに餌をあげながら
「やべー!すげー!俺ライオンに餌あげちゃった!!?ちょっと理緒、写真とっといて!」
なんて興奮する翔希はやっぱりいつもの翔希だったから、
あたしも気にしないでおいた。