悪態少女の恋物語〜運命の人を見つけてください〜
「深影」
俺の名を呼ぶ彼女。
その声はいつもどんな時でも
やたらと俺の耳に響いて聞こえた。
「どうしたの?」
平静を装うため、俺はいつものように尋ねる。
「あのね、深影はもうあたしのこと嫌いかもしれないけど、あの日の返事、してないままで終わるのは嫌だから…ワガママだけど、聞いててくれるかな。」
そう切り出した彼女は
さっきの笑みから一別し、
とても不安げな表情で
どこか遠くの海を見つめていた。