あの頃の私は知らない
急な
「今から席替えをやるぞ。」
急のことだった。
いつもなら事前に言ってく入れるのに。
「じゃ、今の席順からくじを引いて行くように。」
そんな先生の声と同時に、席が早い順からの生徒が次々とくじを引いていく。
「あの子の隣がよかった」と言っている人や、ガッツポーズのしている人などさまざまだ。
そんな人間観察をしていると、
わたしの肩の揺らして、
「すみれー次ー」
わたしの呼ぶには、
それはもちろん、
私の大親友の遠藤 雅だ。
雅とは保育所からの大親友で、いつも一緒だ。本当に相性が良く喧嘩はまったくしたことがないほどだ。
「......あ、ありがと。」
そう言い残し、わたしは教室の真ん中へと向かう。