彼のぬくもり
迅side


蛍は泣きつかれて寝ちまって優が寝室まで寝かせに行った。



俺は、蛍と出会った日を思い出してた。


優に紹介したいと言われて、まぁチラッと見るだけならいいか。
そんな軽い気持ちで蛍に会った。

でも正直一目みて惹かれた。


すんげぇ綺麗だったんだ。



すらっと長い手足に、小さな顔。
色素の薄い柔らかそうな腰まである髪を靡かせて歩いてくる姿はこの世のものではない気がした。


大きな目も、程よく筋の通った鼻も、ぷっくりと触りたくなるような唇も。


全てが完璧で。品があって、目が離せなかった。




でも俺口下手だから、自分の名前しか言えなくて‥‥。





優には一緒に暮らしてるの聞いてたから、すんげぇ嫉妬した。

あいつの片想いらしいけど。



< 46 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop