彼のぬくもり
優side



あの日から数日眠れない様子だった蛍は、暫く学校を休ませ、俺達が付き添っていた。


初めは全く眠れなくて瞳も濁っていたがある日突然瞳に光が戻った。


余りにも明るく笑い元気が良すぎる。



おかしい。そう思った。
だって回復が早すぎる。そんなに軽い心の傷じゃなかったろ?
一体どうしたんだ‥‥。




「蛍‥‥。いきなり元気になってどうしたんだ?なんかあったのか?」


「ん、あのね‥‥」


「ん?」


「私、思ったんだ‥‥、いつまで引きずっても仕方が無いし、もうお母さんの所にも帰れない。じゃあ私を見てくれる人はもういないのか?って。」


「うん。」


「でもね?私には、迅と優が居る。って思えたの。二人は私を見てくれるでしょ?だからね、まだ全然辛いけど、少し気持ちが楽になったっていうか‥‥。支えてもらってるな。ってすごく思うの。だから二人の事をを考えてから寝ると、悪夢を見ないんだ。最近は眠れるようになったし、元気になってきた!」




やべぇすんげぇ嬉しい。
迅も同じみたいで顔が綻んでる。

ただなぁ、二人ってのがなぁ‥‥
俺一人なら余計に嬉しいんだけどな。



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