彼のぬくもり
しばらくして泣き止むと恥ずかしさが私の心を支配する。
顔が真っ赤に染まる。
「ん?あら?どうしたよ。顔真っ赤じゃん。」
「う、うるさいっ!そりゃ、会って数十分の男の前でこんだけ大泣きしたら恥ずかしいでしょうがっ!」
「‥‥ぶっ、はははははっ!お前っ!可愛いやつかよ!」
そう言って私の腰まである色素の薄い髪をぐしゃぐしゃと撫でる。
‥‥ちょっと待て。
失礼だが。こいつの顔面改めて見たけど
めっちゃ整ってねぇか?
切れ長の二重な目。
鼻筋の通った鼻。
薄い唇。
ストレートな艶のある黒い髪。
めっちゃ綺麗‥‥
そう思い優の顔を凝視していると
「え?何?お、俺の顔なんか変?」
「いや、整った顔してるなって思った。あー、そう言えば名前。」
「名前?」
「そう。私の名前。あれだけ大泣きしてる間に背中撫でてもらったんだから、名前を言わないのは失礼じゃん?」
「あぁ。そうゆうことな。」
「そ、私の名前は 黒瀬 蛍 クロセ ケイ」
「蛍な、所でお前帰る場所あんの?
そんな薄着でここにいるつもりなわけ?」
そう言われ確かに、と思う。