S.U.K.I


他の人たちは、優にもう一度起きてほしいからか、私の勢いに飲まれたのか、何も言わずにただただ見ていた。



「優…?煌だょ……みんなも優が起きるの待ってるんだょ…起きてよ!これ以上みんなを…煌を…待たせないでよ……。」



その時の私は、妬けに近かったかもしれない。



信じることしかできないなら…


祈ることしかできないなら…


待ってることしかできないなら…



それ以外、私にできることがないのなら。


そう思った。


誰の為でもない自分の為に。


優を起こしたくて仕方なかった。


また笑いかけて、頭を撫でて……


一緒の時間を共にする。


来年だって、再来年だってあの、クリスマス会に全員が揃いますように。



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