S.U.K.I
ラストメッセージ
冗談やめてよ………!
私は、握っていた手を離して肩に手を掛け、叫ぶ。
「優っ、優、優!ちょっと皆心配してるよ?!起きなって!嫌だ、ねぇ?!そんな冗談つまんないよ!…優!!」
まだ暖かい頬にとっさに手を掛けた。
暖かいハズの優の頬が一ヶ所だけ冷たい感触を覚えてふと掌に視線を落とす。
そこは、一筋の涙が通った場所だった。
まだ濡れていてちょうど、私の掌に優の最後の一雫が乗っていた。
零して、落ちてしまわないようにぎゅっと握り締めた。
暖かい掌の中に冷たい感触が広がる。
「優っ………………!」
握り締めた掌におでこをくっつけ右手で覆う。
擦れた声でつぶやいた優の名前が心にずっしりと重かった。