S.U.K.I
病室にいる大半の人々が怪訝な目で私を見ながら次の展開を待ってる。
「ちゃんと…見て下さい。」
「はぁ?私が見てないとでも言うのかね?ここまで治療して治しただけでもすごいことだがね?そんなことも分からないで何を言うんだね?」
ずらずらと言葉を並べ立て煩わしそうに私の手を振り払って逃げるように去ろうとした。
私は、そんな医者の広い背中に、言葉をぶつけた。
「優……助けて下さい!」
てきぱきと装置を片付けていた看護婦さんたちの手が止まる。
医者は、相変わらず冷たいままの態度で上から見下ろして、ふん、と鼻で笑う。
「さっきの言葉が聞こえなかったのかい?」
「はい、聞こえませんでした。」
私は、自分が何を言ってるか自分でも分からなくなりながら、きっぱりとそう言った。