S.U.K.I
『―…ら……き―ら……煌……!起きて、煌!!」
薄らと開けた視界がぐらぐらと、左右上下に揺れる。
斜めに傾いた窓枠の外は、瞬く星が私を見つめていた。
だんだんぼやけていた視界がはっきりしてきて、それと共につんと鼻を突く薬品の匂いと機械の音に今の場所を知る。
勢い良く起き上がると、変な格好で寝てたこともあってか、首とか腰がめちゃめちゃ痛い。
「大丈夫?行けそう?」
中ちゃんが優しく心配そうに私の肩に手をかける。
まだぐらぐらする頭に慣れていないせいか、足元までがよろよろと不安定だ。
頑張ってもたれていたベッドを振り返ると、もうそこに優の姿はなくて、綺麗に畳まれたシーツや布団が重ねてあるだけでベッドの棒を組み合わせた空洞から下の床が見えるだけだった。
「優。は…………?」
「優君なら…霊安室だよ。」
私は、ぽかんと首を傾げた。