S.U.K.I
だって、機械の音がしたぢゃないって周りを見回して《優》を見つけた。
「優……………!」
《優》の横たわるベッドに駆け寄って《優》の手を握る。
心の中でも必死に呼んだ。
『ねぇ、《優》起きて!』って。
「煌!違うよ、違う!その人は、優君ぢゃないんだよ!煌なら分かるでしょ、しっかりして……煌!」
もはや、中ちゃんの涙ながらの訴えさえ聞こえなかった。
私の肩にだんだん力を無くしていく中ちゃんの揺さぶりが感じられているハズなのにそれにすら反応しない。
すると、突然揺さぶりがぱたりと止み、力強く私の肩が引っ張られベッドから引き剥がされた。
怪訝な顔をする私の視界に入ったのは、寂しそうでどこか怒りを帯びた還梨だった。