S.U.K.I
「煌………」
弱々しい声に振り向くと、幸さんが泣きすぎて疲れた目をして、私の肩に優しく手を置いた。
冷えきった手を強い意志と一緒に肩に置いているような感じだった。
「優の顔見てあげて…お願い。」
私の目を真っすぐ見ていた視線をゆっくりと白いベッドに向けた。
その視線につられるように白いベッドに目を向けるとほっこりと白い布に包まれた《人》が、確かにそこに横たわっていた。
ゆっくりと動きだした幸さんにつられるようにして私も一歩踏み出した。
近づくにつれて息苦しくなってゆく。
手を伸ばせば届く位置まで行ったとき、優しく背中を押された。
「今、優そこに寝てるのよ。」
優しい響きだった。
流れに押されるまま、顔にかけてある白い布を取ると、もう、血の気を失った優が、笑ってた。