S.U.K.I


泣きそうな自分を必死に抑えて、そっと触れるともう冷たくて。


『冗談だよ。』なんて、もう笑ってくれない優がいた。



「優………ごめんね……?大好きだったょ……」



覆い被さるように顔を近付けて、優しく、唇をつけた。


もう、事故直後に強引に奪われたあのときの暖かさは、なくて……―


もう、見ていられなくて、そっと布をかけた。


優も、なんだか泣いているような気がした。



「煌………ありがとね。」



その言葉を聞いた途端、すべてが遠く感じた。


言葉にならない『失礼します』を残して、霊安室を飛び出した。


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